沖縄の舞踊曲で浜千鳥の次に好きな曲があります。
「ムンジュル節」
一、
むんじゅる平笠ちゅらむぬや
女童まちぢにちぃ据してぃ(ちゅらむぬや)
花染み手さじや前に結でぃ
二才惚らしむぬ(花染やう)
ニ、
照喜名坂からやううなよ
むんじゅる平笠かぶるなやう(津波古の)
津波古の主の前が
な打惚れゆんどう(津波古の)
三、
芋のまあさや唐かんだ
米のまあさやあかち米(神酒造ての)
神酒造てのまあさや
白はい唐かんだ(神酒造ての)
ガレッジセールのゴリさんが監督で作られた「洗骨」が粟国島の映画の中にたしかこの「ムンジュル節」が歌われていたと記憶しています。
歌詞はこちらのサイトから引用させていただきました。詳しく詳細も書かれていますのでぜひお読みください。
沖縄の舞踊曲は舞踊家が踊るためにいくつかの楽曲に振りをつけ、いくつかの楽曲をつなげて( ちゅくさい=鎖 )構成を作っています。
この「 ムンジュル節 」の前後にも関連曲が演奏されるのですが、中でもこの「 ムンジュル節 」が好きすぎて、三線の稽古では、たくさん稽古する中でこの曲が廻って来ると密かに胸が躍るのです。




コザはゴヤバス停前にあるシアタードーナツにて、クラウドファンディングで製作された『むんじゅる笠 -瀬底島の笠-』観てきました。ドキュメント映画を製作している海燕社の作品です。写真に写っている男性はここの代表の宮島氏で、映画館としては珍しく上映の前後に一言二言、解説?をしてコミュニケーションを大切にしているアットホームなミニシアターです。
※このシアタードーナツこと通称シアドの建物はコザゲートアパートメント通称KGAと言い、KGAもその前身も実はかつての仕事場でした。
なので、シアドに行くとちょっとあの汚い事務所がフラッシュバックされ少し不思議な気持ちになります。(笑)
今ではもう制作してはいないそうですが、現在93歳のこの「むんじゅる笠」の作り手である大城氏。(継承者はいるのでしょうか?わかりません)
稽古の時、 ムンジュル節 =粟国島というのに、なぜ瀬底島で作られているのか最初意味が理解できませんでした。粟国島のむんじゅる節は、明治時代に創作されたものらしく、かつて沖縄でもパナマ帽が作られていたように、粟国島でも瀬底島でもそれなりの作り手はいたようです。
むんじゅるは、麦のこと。そうなると むんじゅる笠を作るだけの麦を栽培が必要となる。もちろん麦や粟もかつては作って食べるために植えていたかもしれないけど、傘を作るために茎は必要だけど小麦は必要なのか…小麦が必要であるから茎を使うのか
大城氏が敷地に麦撒きをするシーンや、島の人、島出身の人々にインタビューで、伊江島や古宇利方面へ稲を調達に行っていたという話も紹介されていました。つまり、稲の成長や収穫できる場所として伊江島は小麦を作っていた。(もちろん他の土地でも作っていたでしょう)
でも農業用の笠、舞踊用の笠、かつては笠を作って商店に卸して食べ物やお金になっていたというのだからその原材料が手に入らなくなったことと作り手がいなくなったのが先に粟国島だったのかなぁと推測しました。
本来、推測で話を書くことは私はしないのですが、仕事で取材でもないのでまぁまたタイミングがあって話を聞けるときがきたら更新したいと思います。
映像の中では島の行事の様子も描かれていました。伝統行事が大好物なワタクシ。沖縄の伝統祭り研究会?メンバーの一人が現在、この映画の瀬底島に住んでいます。早くコロナが終わって島の行事を観に伺いたいものです。
シアタードーナツ 沖縄市ゴヤバス停前
2021年8月18日まで上映 『むんじゅる笠 -瀬底島の笠-』